2021.1.5

年頭所感

シタテル株式会社
代表取締役/CEO 河野秀和
 
 
新年あけましておめでとうございます。
2021年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。何より、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内、そして世界中が大きな変化を余儀なくされた稀有な1年が終わり、こうして新年を迎えられたことに、心より感謝いたします。
 
 
―2020年の振り返り―
新型コロナウイルス感染症の波及は収束せず、経済、社会、そして我々の生活に深刻な影響を与え続けた2020年。加えて、シタテル本社のある熊本では、コロナ禍で豪雨や度重なる台風等の自然災害により、甚大な被害を受けました。この1年、新型コロナウイルス感染症に罹患された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、現在も最前線で尽力されておられる医療従事者のみなさま、そして地域復興に携わるみなさまへ、心から敬意を表し深く感謝申し上げます。
 
アパレル産業も新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、経済に関わる我々もネガティブ・ケイパビリティ(不確実で答えの出ない事態に耐える力)を試されながらも日々「自分たちには何が出来るのか」を考え続けた1年となりました。経済、産業の回復を祈りつつ、微力ながら、苦境にある関連事業者のみなさまと共に、様々なプロジェクトや事業を通して少しでも役に立つことを考え、行動し続けてまいりました。そのようなコロナ禍で、産業全体のDXが加速したこともあり、2020年の業績も200%成長を推移、12億超の資金調達を実施することが出来ました。これもひとえに、当社の事業に関わる全ての方々が「今何が出来るのか」と問い続け、積極主義(ポジティビズム)のスタンスを持ちながら全力で課題解決に取り組み、共に苦難を乗り越えたひとつの結果だと感じております。
そして事業を通し、「2つの大きな変化」を捉えることが出来ました。
 
 
▼消費の変化
ひとつ目は「生活者の消費の変化」です。
今後10年で起きると予測されていたアパレル産業のシュリンクも、2020年度で市場規模が30%以上縮小する可能性もあると言われおり、この2~3年で、当初予測されていた10年後の予測下降水準になることも想定されています。この要因は、生活者のライフスタイルや価値観の変化、アパレル産業の業界構造、DXの遅れ、業界に携わる人々のマインドなど様々ですが、2021年はターニングポイントになります。
一方で、コロナ禍の不便な状況を前向きに楽しみたいと、オンラインでの事業・コンテンツサービスの利用と同時に、ホビー、アウトドアやワークウェア等、屋外での活動の消費欲求も高まり、人々の新しいことにトライする動きや、応援消費が強まったことも印象的でした。実際にデータ上でも、生活者の「衣服を買う目的」も被服費としての消費から、趣味・娯楽費としての消費へと変化しています。
今後は、これまでの「アパレル業界」「化粧品業界」というようなプロダクトカットではなく、「ライフスタイル市場」として捉えていくことが必然となり、モノの消費からライフスタイル(コト・体験価値)の消費への対応が、急速に求められるようになります。生活者が何を求めるのか、そして、いま事業者に何が求められているのかを思考し、ライフスタイル(コト・体験価値)を提供する必要性が高まると考えます。
 
 
▼システムの変化
そしてもうひとつは、システムの変化です。
2020年、経済、情報・データ、サプライチェーン、政治と様々な面で「システム」が入れ替わる年でした。この変化に対し、2021年は新たな「事業想像・創造」、すなわちイノベーションの真価が問われる年になると感じております。企業単位でも、旧来の中央集積思考で自社の強みだけで事業を拡大させていくというやり方ではなく、自社の「弱さ」を正確に把握することが重要となってきます。そして、エコシステムとしてそれぞれの産業で牽引するプラットフォーム事業者が、産業共通の「新たな課題」の解決に向けて中長期で補完関係となり、互いが有機的に連携し、新たな収益構造を設計して行く必要性があると考えています。
当社も創業以来、ミッションに「人・しくみ・テクノロジーによる変革」を掲げておりますが、自社のサービスやプロダクトの品質を高めていくことは然ることながら、関連する企業と共創するところに光明があると感じています。
このような変化を捉え、当社でも中期で目標を定め、プラットフォーム事業として2025年度には、流通総額500億、売上業績100億を達成すべく事業計画を設計・実行し、7期の残り2か月も駆け抜けてまいります。
 
 
―組織について―
当社の組織においても、2021年はガバナンス体制の強化、組織構造の最適化と共に、役員、メンバーそれぞれの「個性」と「ポテンシャル」を引き出し、パフォーマンスを存分に発揮出来る体制にして行きたいと思っております。
事業は誰かが動かすものではなく「自ら想像・思考し、動き、互いを補完しあう」という「圧倒的な高い当事者意識」「圧倒的な高い想像力と実行力」を持つ人材の採用、および育成が出来る社内環境を構築してまいります。新たな普遍づくり、そして未来に向けて、個性の集合知が独自の価値となり、この不可逆で不確実性が漂う世の中で、新しい価値を発揮する企業になると信じています。もちろん、私自身も当事者として全力を尽くしてまいります。
 
結びに、本年が皆様にとって実りの多い飛躍の年となりますよう心から祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。
 

本件に関するお問い合わせ先

シタテル株式会社 広報担当 原・鈴木
メール press@sitateru.com