2020.11.4

アパレルにおける環境意識の実態調査

人・しくみ・テクノロジーで衣服の価値を変えるシタテル株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役:河野秀和、以下シタテル)は、この度、10代から50代までの男女560名を対象に、アパレルにおける環境意識の実態調査を実施しました。

調査背景

シタテルは、在庫ゼロの衣服生産販売サービス「SPEC(スペック)」を活用し、アパレル業界の大量生産・大量廃棄の課題解決に取り組んできました。この度、消費者のアパレルにおける環境意識や取り組み状況を正確に把握し、アパレル業界におけるSDGsへの取り組みをさらに強化するために、本調査実施に至りました。
 

主な調査結果

1. 約8割(79.3%)が環境に配慮した衣服製品を購入したいと回答、特に10代の環境意識が高い
2. きっかけは、10代・20代は「SNS」「学校教育」の影響が顕著
3. 衣服のエコ活動ベスト3は「リサイクル」「買う服を減らす」「長期間使う」
4. 約7割(71.4%)が衣服のエコ活動につながる「選択肢の広がり」に期待
5. 衣服のリサイクルを月に1回以上行っている人は約2割(20.4%)
6. リサイクルしたいが買い手が見つからない場合、約4割(40.9%)がゴミとして処分
7. 約9割(88.4%)がクローゼットにほとんど着用しない衣服があると回答
8. 約半数(53.4%)は環境に優しいアパレル企業が思いつかない
9. 約半数(48.2%)が、環境問題に対する、国内の衣服産業全体の取り組みは不十分と回答
10. 企業へ期待する取り組み上位は、「衣服回収、廃棄物を再利用した衣服生産」「在庫を減らす取り組み」「オーガニックコットンなど環境に配慮した製品づくり」
 

総括

本調査の結果、約8割の回答者が環境に配慮した衣服を購入したいと回答し、消費者の環境への意識は高いことが明らかになりました。環境意識をもったきっかけは、中年層では環境問題に関する「報道」や「子育て」であったのに対し、若年層では「SNS」や「学校教育」の影響が大きいことが特徴的でした。一方で、約7割の回答者が衣服に関するエコ活動に対して「どう取り組めば良いか分からない」「選択肢が少ない」と感じており、環境意識は高いものの、具体的にどのように行動してよいかが分からないという実態が浮き彫りになりました。
 
また、回答者の約半数が「環境問題に対し積極的に取り組んでいるアパレル企業が思いつかない」「環境に対する国内の衣服産業全体の取り組みは不十分」と回答しており、衣服産業全体での環境問題への取り組みに課題があることが明らかになりました。
 

調査結果詳細

1. 約8割が環境に配慮した製品を購入したいと回答、特に10代の環境意識が高い
 
環境に配慮した衣服製品の購入意識に関して、約8割(79.3%)が、環境に配慮した衣服製品を購入したいと回答し、10代では約9割(86.6%)と、特に環境意識が高かった。一方で、30代は約8割(75.9%)、40代は約7割(66.9%)となっており、世代間で若干の意識の差があることが明らかになった。

2. きっかけは、10代・20代は「SNS」「学校教育」の影響が顕著
 
環境に配慮した衣服製品を購入したいと思ったきっかけを年代別に見ると、10代・20代では「SNS」「学校教育」をきっかけとする人がそれぞれ約2割で、他の年代と比べて多かった。

3. 衣服のエコ活動ベスト3は「リサイクル」「買う服を減らす」「長期間使う」
 
環境問題に対して、実際に行ったことのある衣服に関する取り組みを聞くと、「着用しなくなった衣服をリサイクルする」が約半数(47.7%)と最多で、次いで「購入する衣服を減らす(33.4%)」、「購入した衣服を長期間着用する(30.9%)」であった。

4. 約7割が衣服のエコ活動につながる「選択肢の広がり」に期待
 
衣服のエコ活動に対する考えについては、「もっと選択肢があると良い(40.5%)」「何をすれば良いのか分からない(30.9%)」と、約7割(71.4%)が選択肢の広がりに期待する実態が明らかとなった。環境問題への意識が高まる一方で、個人では具体的な行動に落とし込みづらい状況があると考えられる。

5. 衣服のリサイクルを月に1回以上行っている人は約2割
 
衣服のリサイクルを行う頻度は、「月に1回以上」行っている人が約2割(20.4%)で、そのうち10代〜30代が約8割(82.5%)を占めることが分かった。また年代別に分析すると、10代・20代の約3割(10代:28.6%、20代:33.0%)が「毎月」リサイクルを実施している実態が明らかになった。

6. リサイクルしたいが買い手が見つからない場合、約4割がゴミとして処分
 
着用しない衣服や、リサイクルをしたいができない衣服(買い手やもらい手が見つからないなど)の処理方法として、約4割(40.9%)が「ゴミ処分する」、約3割(25.4%)が「クローゼットに保管」と回答した。約7割(66.3%)がリユースやリサイクルをできておらず、フリマ(アプリ)やリサイクルショップ以外のリユースやリサイクル方法に課題があることが分かった。

7. 約9割がクローゼットにほとんど着用しない衣服があると回答
 
クローゼットにある着用していない衣服の数を聞くと、約3割(31.4%)が「1〜3着」と最多で、次いで「4〜6着」が約2割(25.0%)、「10着以上」が約2割(23.6%)の順番で、約9割(88.4%)がクローゼットにほとんど着用しない衣服がある実態が明らかになった。また男女別に分析すると、女性のほうが「10着以上」と回答した人の割合が多かった。

8. 約半数は環境に優しいアパレル企業が思いつかない
 
環境問題に積極的に取り組んでいるアパレル企業が思い浮かぶかを聞いたところ、約半数(53.4%)が思い浮かばないと回答し、企業活動の発信に課題があることが明らかになった。なお、思い浮かぶ企業として挙げられたのは、多い順に「ファーストリテイリング」「H&M」「パタゴニア」だった。

9. 約半数が、環境問題に対する、国内の衣服産業全体の取り組みは不十分と回答
 
国内の衣服業界全体の取り組みは十分であるかという問いに対しては、約半数(48.2%)が不十分と回答し、業界としての取り組みに課題を感じていることが分かった。

10. 企業へ期待する取り組み上位は、「衣服回収や、廃棄物を再利用した衣服生産」「在庫を減らす取り組み」「オーガニックコットン製品など環境に配慮した製品づくり」
 
国内の衣服業界に対し期待する具体的な環境問題への取り組みを聞いたところ、「衣服回収、廃棄物を再利用した衣服生産」が最多で、次いで「在庫減少への取り組み」、「オーガニックコットン製品など環境に配慮した製品づくり」だった。

調査概要

調査期間:2020年6月2日〜6月6日
調査対象:10代〜50代の560名
標本構成:男性280名、女性280名(10代から50代まで各112人)
調査方法:インターネット調査
 
 

本件に関するお問い合わせ先

シタテル株式会社 広報担当
メール press@sitateru.com